🎯 結論:実データで答え合わせすると、インデックスファンド3本は「どれを選んでも大差なし・いつ始めても預金と保険に圧勝」!2018年7月にS&P500へ500万円一括なら約2,240万円、2017年9月に楽天VTなら約1,822万円。同じお金が銀行預金なら約502万円——差を生んだのは「置き場所と手数料」だけ!
「もしあのとき買っていたら、実際いくらになっていたのか」。この記事は仮定の利回り計算ではなく、実際の基準価額データを使って定番3ファンドの「答え合わせ」をします。検証期間は、各開始日から2026年8月7日(最新の基準価額)までです。比較対象として、同じお金を銀行預金・個人年金保険・変額保険に置いた場合も並べます。
この記事の内容を3分の動画で
検証の前提
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象ファンド | 楽天・全世界株式(楽天VT)/eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)/eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) |
| 開始時期 | ①各ファンドの設定日/②旧つみたてNISA開始(2018年1月)/③新NISA開始(2024年1月) |
| 投資金額 | 毎月3万円積立(毎月末買付)/開始時に一括投資(結果①②は500万円、結果③は300万円※)/両方の併用 ※新NISAの年間投資枠は360万円(成長投資枠240万+つみたて投資枠120万)のため、初年度に500万円は入れられません。結果③の一括は枠内に収まる300万円で試算しています |
| 検証期間の終点 | 2026年8月7日の基準価額(投信総合検索ライブラリーの実データ・信託報酬控除後) |
| 税金 | NISA前提のため非考慮 |
結果①:設定日から投資していたら(〜2026年8月7日)
| 投資先 | 設定日 | 手数料(年率・目安) | 積立 元本 |
積立 評価額 |
一括 元本 |
一括 評価額 |
併用 元本 |
併用 評価額 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽天VT | 2017/9/29 | 信託報酬 0.192% | 324万円 | 788万円 | 500万円 | 1,822万円 | 824万円 | 2,610万円 |
| オルカン | 2018/10/31 | 信託報酬 0.058% | 285万円 | 667万円 | 500万円 | 1,915万円 | 785万円 | 2,582万円 |
| S&P500 | 2018/7/3 | 信託報酬 0.081% | 294万円 | 757万円 | 500万円 | 2,240万円 | 794万円 | 2,997万円 |
| 銀行預金 | — | なし(金利0.001〜0.2%) | 324万円 | 325万円 | 500万円 | 502万円 | 824万円 | 827万円 |
| 個人年金保険 | — | 拠出時控除+解約控除あり (予定利率 年1%相当・モデル) |
324万円 | 301万円(元本割れ) | — | — | — | — |
| 変額保険 | — | 拠出時10%(積立)/5%(一括) +運用中 年2.7%+解約控除 |
324万円 | 607万円 | 500万円 | 1,341万円 | 824万円 | 1,948万円 |
※預金・保険は楽天VTと同じ2017年9月開始で計算。変額保険は「オルカン系と同じ値動き」に一般的な費用構造(拠出時控除・運用中の保険関係費年2.7%・経過10年未満の解約控除)を適用したモデル値です(商品により異なります)。

結果②:旧つみたてNISA開始(2018年1月)から(〜2026年8月7日)
| 投資先 | 設定日 | 手数料(年率・目安) | 積立 元本 |
積立 評価額 |
一括 元本 |
一括 評価額 |
併用 元本 |
併用 評価額 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽天VT | 2017/9/29 | 0.192% | 312万円 | 745万円 | 500万円 | 1,714万円 | 812万円 | 2,459万円 |
| オルカン※ | 2018/10/31 | 0.058% | 285万円 | 667万円 | 500万円 | 1,915万円 | 785万円 | 2,582万円 |
| S&P500※ | 2018/7/3 | 0.081% | 294万円 | 757万円 | 500万円 | 2,240万円 | 794万円 | 2,997万円 |
| 銀行預金 | — | なし | 312万円 | 313万円 | 500万円 | 502万円 | 812万円 | 815万円 |
| 個人年金保険 | — | 同上モデル | 312万円 | 289万円(元本割れ) | — | — | — | — |
| 変額保険 | — | 上記と同じモデル | 312万円 | 576万円 | 500万円 | 1,270万円 | 812万円 | 1,846万円 |
※オルカン・S&P500は2018年1月時点で未設定のため、それぞれの設定日(2018年7月・10月)からの開始=結果①と同じ数字です。制度開始時点から買えたのは、この3本では楽天VTだけでした。
結果③:新NISA開始(2024年1月)から(〜2026年8月7日)※一括は300万円
| 投資先 | 設定日 | 手数料(年率・目安) | 積立 元本 |
積立 評価額 |
一括 元本 |
一括 評価額 |
併用 元本 |
併用 評価額 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽天VT | 2017/9/29 | 0.192% | 96万円 | 129万円 | 300万円 | 545万円 | 396万円 | 674万円 |
| オルカン | 2018/10/31 | 0.058% | 96万円 | 129万円 | 300万円 | 554万円 | 396万円 | 683万円 |
| S&P500 | 2018/7/3 | 0.081% | 96万円 | 128万円 | 300万円 | 559万円 | 396万円 | 687万円 |
| 銀行預金 | — | なし | 96万円 | 96.2万円 | 300万円 | 301万円 | 396万円 | 397万円 |
| 個人年金保険 | — | 同上モデル+解約控除7.4% | 96万円 | 81万円(元本割れ) | — | — | — | — |
| 変額保険 | — | 上記モデル+ 解約控除7.4%適用 |
96万円 | 104万円 | 500万円 | 755万円 | 596万円 | 859万円 |

筆者の実際の成績も公開します(証券口座の実数・2021年〜2026年8月)
机上の検証だけではフェアではないので、筆者の証券口座(2口座の合算)の「年別サマリー」の実数も載せます。2021年3月に投資を開始し、低コストのインデックスファンドを特定口座とNISAで買い続けてきた結果です。
| 年 | 年末評価額 | 年間買付 | 年間売却 (特定口座から) |
年間トータルリターン | 累積リターン | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021年(3月開始) | 401万円 | 354万円 | 0円 | +47万円(+13.3%) | +47万円 | 投資開始 |
| 2022年 | 754万円 | 390万円 | 0円 | −38万円(−4.8%) | +10万円 | 唯一のマイナス年 |
| 2023年 | 1,101万円 | 77万円 | 0円 | +271万円(+32.6%) | +280万円 | — |
| 2024年 | 1,806万円 | 335万円 | 120万円 | +490万円(+34.2%) | +770万円 | 新NISA開始 |
| 2025年 | 2,088万円 | 360万円 | 360万円 | +282万円(+13.0%) | +1,052万円 | 特定→NISAへ移し替え |
| 2026年(8月まで) | 2,351万円 | 220万円 | 240万円 | +283万円(+12.3%) | +1,335万円 | 移し替え継続中 |
累計すると——買付合計 約1,736万円、現在の評価額は約2,351万円、累計損益は+約1,335万円です(評価2,351万+売却720万−買付1,736万。含み益+実現益の合計)。なお約720万円の売却は、お金を使ったのではなく、特定口座(課税)を売ってNISA口座(非課税)を優先的に埋め直すための移し替えです。表で特定口座の売却とNISAの買付が同じ年に並んでいるのは、そのためです。
正直に見てほしいのは2022年のマイナス(−4.8%)です。この年にやめていたら、その後の+271万円・+490万円は1円も受け取れませんでした。「下がった年に売らず、淡々と買い続ける」——本文の検証グラフと同じことが、筆者の口座でもそのまま起きています。この「課税口座を売って非課税枠へ移す」は、NISA拡充後の定石です。こうした資金の付け替えを手数料ゼロで自由にできるのも投資信託の利点で、保険と違って解約控除も違約金もゼロ。もちろん、必要になればいつでも売却して現金化もできます。
おまけ:このまま20年運用したらどうなるか(ここだけ平均リターンの試算)
ここまでは全部「実績」でしたが、この章だけは将来の試算です。株式は年7%(物価上昇2%を含む名目リターン。実質5%相当)、預金は年0.2%、物価は年2%と仮定して、「今日から月3万円積立(元本720万円)+一括300万円」を20年続けた場合を並べます。よく使われる「年5%」は物価を考えない実質ベースの数字なので、物価ラインと並べるこの表では名目7%で揃えています(世界株の歴史的な名目リターンは年6〜8%程度です)。個人年金保険・変額保険は本文と同じ費用モデルです(20年経過なので解約控除はゼロ)。
| 投資先 | 前提 | 積立20年 (元本720万円) |
一括300万円 →20年後 |
併用 (元本1,020万円) |
|---|---|---|---|---|
| インデックスファンド (3本共通) |
年7%と仮定 (実質5%相当) |
約1,563万円 | 約1,161万円 | 約2,724万円 |
| 銀行預金 | 年0.2% | 約735万円 | 約312万円 | 約1,047万円 |
| 個人年金保険 | 拠出時10%控除+年1% | 約717万円 (返戻率 約100%) |
— | — |
| 変額保険 | 年7%運用−費用 (拠出時控除+年2.7%) |
約994万円 | 約638万円 | 約1,632万円 |
| 物価ライン | 年2% | 約885万円 | 約448万円 | 約1,333万円 |
注目してほしいのは2点です。①個人年金保険は20年払い続けても返戻率約100%=元本トントン。満期の30年でようやく105%前後です。20年で物価ラインは885万円まで上がっているので、実質価値は2割近く目減りしています。②変額保険は、同じ年7%で運用される前提でも、費用控除後は積立994万円 vs インデックス1,563万円(差569万円)、一括638万円 vs 1,161万円(差523万円)。併用なら約1,092万円——運用の中身が同じでも、20年で1,000万円規模が保険会社側に消えます。運用が正しくても費用が全部持っていく——これが「保険で運用しない」理由のすべてです。
この実データから分かる4つのこと
① 3ファンドの差より「やるかやらないか」の差が支配的
新NISA開始からの同一期間では、S&P500 559万・オルカン554万・楽天VT545万(一括300万円)——差は2%前後です(楽天VTがわずかに劣るのは信託報酬の差もほぼそのまま)。一方、預金(301万円)との差は約250万円。「どれを買うか」で悩んで始めない1年が、一番高くつきます。
② 一括500万円の破壊力=「時間×複利」
2017年9月に楽天VTへ一括500万円→1,822万円。新NISA開始の2024年から枠内一括300万円だと545万円(1.82倍)。同じ「一括」でも、早く始めた6年強がリターン倍率を2倍にしました。複利の記事で書いた「いくら入れるかより、いつから転がすか」の実物証拠です。
③ 変額保険は「同じ値動き」でも3つの手数料で大きく負ける
変額保険の中身は投資信託と同じ特別勘定です。それでも①拠出時に保険関係費が引かれ(運用に回るのは9割前後)、②運用中も年2.5〜3%が引かれ続け、③10年以内にやめると解約控除まで引かれる。この3段構えの結果、2017年からの一括では楽天VT 1,822万円 vs 変額保険 1,341万円——約481万円が保険会社側に消えます。新NISA開始からの短期では解約控除(モデルで7.4%)が直撃し、積立でも104万円と伸びません。貯蓄型保険の記事の結論そのままです。
④ 預金と個人年金保険は「物価に負けている」
グラフの赤い点線が「物価ライン」=投じたお金の価値を物価上昇分だけ維持するのに必要な金額です(総務省CPIベース)。2017年からの積立では、元本324万円の実質維持に約358万円が必要でした。銀行預金は325万円、個人年金保険にいたっては解約返戻金ベースで301万円と元本割れ——どちらも物価に負けて、実質ではお金が減っています。個人年金保険は拠出時に保険関係費が引かれ、10年未満の解約には解約控除もかかるため、序盤は右肩上がりですらありません(グラフの緑線)。「元本保証だから安心」の正体は、「名目の数字が減らないだけで、実質価値は毎年目減りする」です。
注意点(正直に書きます)
- 過去の実績は将来を保証しません。この9年は世界株の強気相場+円安という「追い風」でした。次の9年が同じとは限りません。
- それでも預金・保険との「構造の差」(手数料と複利の向き)は、相場に関係なく毎年効き続けます。
- 一括投資は高値掴みのリスクを背負います。実際、2025年には評価額が2割下がる場面もありました(グラフの谷)。下がっても売らずに続けられる金額が前提です。
- シミュレーション条件:毎月末買付・分配金なし・NISA前提で税金非考慮。預金金利は大手行普通預金の実際の推移(0.001%→0.02%→0.1%→0.2%)を反映。個人年金保険は「拠出時に10%控除・予定利率年1%相当・経過10年未満の解約控除」のモデル値(30年満期まで持てば返戻率105%前後になる一般的な水準です。商品により異なります)。変額保険は上記のモデル値で、実際の商品ごとの費用は設計書でご確認ください。
- 結果①②の一括500万円は、当時のNISA枠(旧つみたてNISA年40万円等)を超えるため課税口座(特定口座)前提の税引前評価です。
- 信託報酬は2026年時点の目安です。
まとめ:答え合わせの結論
「楽天VTかオルカンかS&P500か」は、実データではほぼ引き分け。勝敗を分けたのは①始めた時期 ②置き場所(手数料)の2つだけでした。迷っているうちは、どれでもいい。今日、低コストのインデックスファンドを自分の口座で買い始めることが、9年後の数百万円の差になります。
そして、個人年金保険・変額保険などの貯蓄型保険について、はっきり書いておきます——「保険(保障)もついているから」を考慮しても、絶対に不要です。理由は単純で、保障は掛け捨ての定期保険なら月2,000円程度で数千万円分買えるからです。「掛け捨て+インデックス投資」に分けた場合、保障は貯蓄型より手厚く、運用の差は本文で見たとおり数百万円。つまり貯蓄型保険は、保障で比べても運用で比べても、分けた場合に勝てる要素が1つもありません。この差額は「保障の価値」では埋まらない——保険と貯蓄は、分ける。それがこの検証の最終結論です(詳しくは貯蓄型保険の記事と保険の見直し方へ)。

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